Archive for 9月, 2011

9月 29, 2011

熱力学の基本的な考え方って難しいのかな…?


今日は、仕事が忙しい中、無理やり1時間ほど休暇をもらって大学で勉強してきました。

研究室の後輩たちが、何やらボルン・ハーバーサイクルを計算化学的に再現しようとして苦心している模様で。

何事かと思ったら、計算化学によって得られるエンタルピーの基準と、実験値でのエンタルピーの基準が違うとか・・・

そんな当たり前のことで学部4年にもなって何日費やしてんのかと・・・

そんなの学部1年だってわかってるんだから、比較するためにどっちかの値に合わせて計算すればいいだろうと。

そんなレベルの低い内容を教えたら感謝された、そんな水曜日の夜8時でした。

でも、季節の変わり目で体調を崩す人がいっぱいいますね。

私も気を付けないと。

体は大事にしてやらないと仕事になりませんし、仕事の質を高める努力をするためには、ある程度の余裕をもって仕事をすることが必要です。

さぁ、明日は化粧品に含まれる金属元素の分析やるぞー!

うまくいくかなぁ??

9月 28, 2011

酸化鉛(Ⅳ)の調整


MnO(OH)2を酸化して過マンガン酸イオンMnO4-にするために、酸化鉛(Ⅳ)PbO2が必要でした。

しかし、試薬庫を見ると、残念なことにPbO2は在庫なし。

仕方ない、作るか。

こんな簡単なノリで作り始めてしまったという出来事が、先日ありました。

まぁ、やることは簡単です。

硝酸鉛(Ⅱ) Pb(NO3)2があるので、これを水に溶かし、水酸化ナトリウムNaOHを加えて水酸化鉛(Ⅱ)の沈殿を得ます。

それを加熱すると、酸化鉛(Ⅱ)PbOの赤色沈殿ができます。

これを、次亜塩素酸ナトリウムで酸化して、酸化鉛(Ⅳ)PbO2の黒色沈殿を得ます。

予備実験として、ごく少量を調整した時はうまくいったんです。

今日は、生徒実験で使わせる触媒を調整したため、10g近いスケールにスケールアップ。

そうしたら、水酸化ナトリウムを加えすぎて、水酸化鉛(Ⅱ)を通り過ぎて

ヒドロキシ錯体になったのか、逆に水に溶けてしまいました。

仕方なく、塩酸で中和してとりあえず水酸化鉛(Ⅱ)の沈殿を得ようとするものの、加熱した直後なので

塩酸を加えると中和熱で局所的に沸騰してしまい、反応溶液が周囲に飛び散るというひどい状況に。

とりあえず、あきらめて氷水で冷やしていくと、なぜか水酸化鉛(Ⅱ)のキラキラした緑色っぽい沈殿が。

あれれ~? なんで錯体じゃなくなった…

と思ったものの、おそらく温度が高かったので溶解度が上がってたんですよね、たぶん。

というわけで、沈殿をとにかく吸引濾過してちょこっと乾燥させたあと、

塩基性条件でとにかく酸化しちゃえばいいや!
きっと酸化鉛(Ⅳ)PbO2になった時点で沈殿して、
勝手に平衡が傾いて反応が進むに違いない!なんていう

意味不明な予想に基づいて、回収した沈殿に水酸化ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウム、水を投入。

これが予想外にうまく行って、見た目には収率7割くらいで酸化鉛(Ⅳ)PbO2を回収できました。

無事にこれが実験で使えるかどうか、明日試している時間がないので正直わかりませんが

とにかく実験当日の午前中に予備実験でもやってみて、うまくいくかどうか確認してみたいと思います。

大丈夫か、今日作ったPbO2…

9月 27, 2011

10月5日と言えば…


ノーベル賞発表ですね!

ここのところ日本人が立て続けに受賞して盛り上がってきておりますが、今年はどうなるのでしょうか。

と言っても、私は化学が専門で、

ほかの分野における研究の価値がわかりませんので

化学についての話にとどめますが。

トムソン・ロイター紙の予想も発表されていますね。

ロイターによる化学分野の予想テーマは3つ。

・走査型電気化学顕微鏡(SECM)の開発と応用(Allen J. Bard (米国))
・デンドリマーの発明と開発(Jean M. J. Fréchet (米国/サウジアラビア)/Donald A. Tomalia (米国)/Fritz Vögtle (ドイツ))
・生体高分子の分子力学シミュレーションへの貢献(Martin Karplus (米国/フランス))

ノーベル化学賞って、実はすごく偏ってるんですよね。

まず、ノーベル賞っていうのは「人類のために貢献をした」ことに対して与えられる賞です。

簡単に言うと、人々の生活の向上に役立ちましたか?っていうのが中心の視点です。

そうすると、当然のことながら、こういう医薬品を作るのに役立つ反応を見つけました!とか

成果が明らかになりやすい分野が、特に受賞しやすくなります。

なので、有機合成などの分野が特に受賞しやすいんですが、
ロイターもそういうところはよくわかって予想を出していますね。

デンドリマーは有機合成、分子力学シミュレーションは医薬合成に関する研究です。

でも、やっぱり基礎研究が一番大事だと思うので、SECMの研究が受賞してくれると個人的にはうれしいです。

分析化学は、これからも進化を続けてくれないと困るのに

最近はどこの国でもどちらかと言えば下火です。

もっともっと、ここでノーベル賞を受賞して注目してもらいたい分野だし、

これからも優れた研究者を輩出し続けるべき分野です。

分析方法の進歩によって、新たな発見を積み重ねることもできますし。

9月 27, 2011

更新が滞ってすみません。


ようやく、行事を1つ超えて、何とか仕事が落ち着きました。
合唱祭ひとつで、こんなに大変だったんだなぁ、と、改めていろいろな見えない仕事の多さに驚きました。
もうそろそろ文化祭も来るわけですが、何とか乗り切っていきたいと思います。

そういうわけで、今日からは何とか平日くらいは順調にブログの更新ができるように頑張っていきたいと思います。

いろんなニュースもありますしね!

9月 15, 2011

Egg Drop Contest!!


今日は、3年生の選択授業でEgg Drop Contestをやろうと思っています。

理科総合Aなのですが、2年生で1年間履修した上で、3年生での選択なので、割と自由に、様々な実験をやっています。

B4ケント紙1枚で卵を入れる容器を作り、3階建て校舎の屋上から落とすので、実質4階と同じ高さです。

授業を選択している生徒よりも、周りの教員がノリノリで見学に来たいって言ってたので、私のほうは、どうしようかと困惑気味です。
他の教室では、研究授業とかやってるのになぁ…
いいんだろうか、こんなんで…

まぁ、とにかくやってみようかな、という感じです。

来週はこの授業は行事でお休みですが、再来週は化粧品に含まれる金属の分析でもやってみよう…かな?
まだ、触媒の合成をやっていないので、計画だけですが。

9月 14, 2011

赤崎勇氏に第1回『知的財産特別貢献賞』


赤崎勇氏を知らない、っていう人は割と多いかも知れませんが、青色LEDの発明者って言ったらわかるのかな?

とにかく、LEDを今の状態まで普及させるに至ったのは、この人のおかげで、3.6兆円くらい利益出てるみたいですね。

何ていうか、この人のために新しく賞を作ったのか、っていう感じですが…
いいんだろうか、こんなんで…

個人的には、こんな賞をわざわざ作ってお金を消費するくらいなら、
成果の出にくい基礎研究にこそ、しっかりお金を使って支援していかないといけないのではないかと思うのですが。

応用研究は、将来的に大きな収益を生む可能性があり、企業でも積極的に行っています。

しかし、地道に精密なデータを集めるなどの基礎研究は、将来的な収益の見込みもなく、
最近は大学や政府関係機関などでもあまり行われなくなってきています。

だからと言って、基礎研究が不要であるということは全くなく、むしろ応用研究以上に重要であると言えます。
それは、若手の育成など、大きな影響を持つからです。

そういう意味で、もっと研究にお金を使っていかないといけないと思うわけです。

以下、発信元記事の引用とリンクです。

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9月 11, 2011

忙しいとか言ってたらGadget見逃してた…


ようやく、青少年のための科学の祭典 東京大会in小金井が終わりました…
出展やら裏方やらで、結局毎年この大会にはスタッフとして参加しておりますが、毎度まいど大変です。
今日は、昨年比5割減くらいの参加者だったので、運営としては楽チンでしたが、事件の数は去年より多いぞなんでだ…?という状況でした。
しかも、事務局長が取り仕切ってるところで事故があったりして、何やってんだ…という状況。

まぁ、そんなこんなで何とか終わりました。
大した事故もなかったし、よかったよかった。

しかし、いまiPhone App Storeの学習部門無料アプリの部でランキング2位の、「ふって!バケ×ガク」って謎のアプリ、あれなんだ。
最初頑張っても鉄の化合物しかできないわ、水素と塩素は反応しないわ、なんだこりゃっていう変なアプリです。
なぜか、腕をたくさん振ることを要求されます。

もうちょっと遊んでみるけど、とりあえず何の意味もないアプリなんじゃないかっていうところですねー。

9月 7, 2011

これぞ分子のリアルな姿!!


原子間力顕微鏡を使えば、こんなことまでできちゃう時代になったんですねー…

自分の専門が、分子シミュレーションだっただけに、やっぱり計算で作り上げた分子の仮想的な姿よりも、リアルな姿のほうがワクワク感がありますね。
いかにリアルな姿に近づけていくか、というのが最大の難問でしたから。

しかも、それに加えてHOMOとLUMOまで観測できるとか、本当に夢のような技術です。
分子全体の電子の形状なら、今まででも観測できていたわけですけど、分子の中にたくさんある分子軌道ひとつ一つはさすがに観測できなかったんですよね。
それを、HOMOだけ取り出したり、ということができるようになるなんて、信じられないっていう思いです。
しかも、計算結果とほぼ合致しているっていうのが、また感動ですよね。
今まで自分たちがやってきた研究は、かなり現実に近い形を得ることが出来ていたんだということが、ようやく証明されたわけですし。

授業にも、少しずつシミュレーションを取り入れていこうっと。

元記事 : Recent advances in submolecular resolution with scanning probe microscopy Nature Publishing Group Nature Chemistry 3, 273–278 (2011)

9月 6, 2011

A Pair of Black Holes in NGC3993


NGC3993_BlackHoles

ブラックホールといえば、相対性理論…という人はマニアですね。
いわゆる、何でも飲み込んじゃう天体です。

画像の中心は、NGC3993の全体像ですが、右上がX線による中心部の拡大画像です。
二つのブラックホールが接近している様子がわかります。
尾を引いているように見えるのは、ジェット流ですかね。。。
ちょっと、専門家じゃないのでそこまではわかりませんが。

一つの銀河に2つのブラックホールがあるだけでも珍しいのに、二つも、しかもこんなに接近してるなんて大変なことですね。

二つの銀河が衝突していっているところ、らしいです。

余談ですが、われらが銀河系の中心も、巨大ブラックホールがあることがわかっています。

まぁ、何万個もの星を引き付けておくだけの重力を持ってなきゃいけないわけだし、よく考えたら納得できますよね。

追記は、元の記事のコピペです。

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9月 5, 2011

放射線で青く光る、安いプラスチック


その名も、シンチレックス。

何に使うかと言うと、主に放射線計測器に使われています。

福島の事故で需要が急増しているものの一つですよね。

今までにも、放射線で光るプラスチックはあったのですが、その発光に使う「波長変換剤」は特許で守られており、価格を安くすることが出来なかったのです。

今回開発されたシンチレックスは、PETをもとに作られた新材料で、波長変換剤は使いません。そのため、これまでの同様の材料の1/10程度の価格で製造できるとのことです。

開発した、京大・放射線医学総合研究所・帝人化成はGJですね。

京都大学プレスリリース 産学官連携により、革新的な放射線蛍光プラスチック(商標名「シンチレックス」申請中)の開発に成功~安価で高性能な放射線検出器の製造に大きく前進~

放射線医学総合研究所 プレスリリース 産学官連携により、革新的な放射線蛍光プラスチック(商標名『シンチレックス』申請中)の開発に成功 ~安価で高性能な放射線検出器の製造に大きく前進~

帝人化成株式会社 プレスリリース 産学官連携により、革新的な放射線蛍光プラスチック(商標名『シンチレックス』申請中)の開発に成功 ~安価で高性能な放射線検出器の製造に大きく前進~(pdfファイル)